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<<   作成日時 : 2007/10/28 09:50   >>

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 大人になるまでホタルを見たことがなかった男の、ホタル見物プチツーリング。 

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         愛車カワサキZZR250と。

 東京・青梅市成木の滝成地区にホタルを見に行った。

 ホタルは、そのあたりを流れる成木川の周辺に生息している。

 
 生まれてから一度もホタルを見たことのなかった僕は、

 長年ホタルというものに、一種の憧れみたいなものを抱いていた。

 しかし、ホタルは農薬の影響などでほとんど姿を消してしまったと聞いていたので、

 見るのはあきらめていたのだ。


 たしかに、人工的に飼育されたホタルなら見ることはできた。

 だが、そんなものは見る気もしなかった。

 なぜなら、僕にとってホタルを見るということは、

 “自然界の神秘に触れる”ということに、ほかならなかったからだ。


 ところが、数年前たまたま勤務先の同僚(彼も僕と同じくライダーだ)から、同所でホタルが見られるということを聞き、

 それが契機となって、以来毎年のようにここにホタルを見に来ている。


 ここでホタルが見られるのは、1年のうち6月下旬から7月上旬の一週間から10日ほど。

 ほんの短い期間だけだ。

 しかも、天候に左右される。

 ホタルは、晴れた日にはあまり飛ばない。

 雨の日もダメ。

 曇って湿気の多い、蒸し暑い日を好むのだ。


 そして、今年もそういう日をみはからって、

 愛車カワサキZZR250を駆り、はるばるやってきたのだった。


 夕方6時前に着いてしまった僕は、暗くなるまで1時間以上待たなければならなかった。

 その間、近くに咲く大好きなタチアオイの花をながめたり、鳥の声や、“かじか”の口笛を吹くような鳴き声、ひぐらしの合唱などを聞いて時間をつぶした。

 日が暮れてだんだんと暗くなっていく空を背景に、山々や木々がしだいに色濃く変化していくさまは、いかにも山里といった風情があった。


 そんな時、近くに住む地元の人が僕に話しかけてきた。

 30〜40代の男性で、自然保護の活動をしているという。

 彼は目の前の小川で産卵している“ハヤ”のことや、周囲の林でさかんにさえずっている鳥がホトトギスであることなど、近隣の自然についていろいろ説明してくれた。


 7時過ぎになってようやく暗くなり待望のホタルが飛び始めた。

 その頃には、川沿いに同じようにホタルを見に来た家族連れの姿が何組か見られた。

 ホタルは淡い光をゆっくりと点滅させながら、川岸や川面を優雅に舞っていた。


 しばらく眺めているうち、一匹のホタルがすぐ近くの草むらに舞い降りてきた。

 ちょうど人が呼吸をするようなリズムで明滅している。

 その青白い光は、あたかも黄泉の国から帰ってきた、“亡き人の魂”のように神秘的だった。


 8時を過ぎ、そろそろみな帰り始めた頃、家族連れの一人の父親が独り言のようにつぶやいた。

 「・・・また、来年だな・・・。」

 この言葉は、僕の心に妙にさびしくひびいた。



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