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zoom RSS 春風と天使・・・その1、初心者ライダーから走り屋へ

<<   作成日時 : 2008/09/09 17:49   >>

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だから死なないのよ!!

彼女がそう叫んだとたん、

僕は、全身カミナリに打たれたような激しい衝撃を感じました。


画像

       大垂水峠のギャラリー(見物人)コーナーにて。1992年撮影。

 “オートバイで湘南の海に行きたい”

そんな思いで二輪免許を取得した僕は、

当初、高速にも乗らず、

下の道をトコトコのんびりと走っていました。

そして、大好きだった湘南の海にせっせと通っていました。

しかし、だんだん慣れてくるにしたがい、

高速に乗って東京から京都までロングツーリングをしたり、

山の峠道なども走るようになりました。

このようにいろいろ経験を重ねていくうち、

いつしかオートバイの醍醐味である、

コーナリングの魅力に目覚めていったのです。


誰でもそうなのですが、

初めはオートバイで山のカーブの連続する道、

いわゆる“峠道”を走るのはとても恐いのです。

オートバイは四輪自動車と違い、

ハンドルで曲がるのではなく、

体重を移動させ、

車体をバンクさせる(傾ける)ことによって曲がるものなので、

曲がること自体にある程度の技術を要します。

初心者にとって、これがけっこうむずかしい。

そのため急カーブが連続する峠道(ワインディング)は、

初心者ライダーにとって難所なのです。


僕も峠道を走り始めた頃は、

全身を緊張させ、

走り終わった頃には口の中がカラカラというありさまでした。

しかし、この恐怖感が快感と表裏一体となっているということに、

僕はまもなく気づくようになりました。

というのも、

何度か走っているうち、

今やっとの思いで走り抜けたばかりの峠道に対して、

“もう1回最初から走ってみたい”

という気持ちが起こるようになったのです。

そして、この時僕は、

今まで自身の中に潜んでいた、

獲物を追うハンターのような野性的な人格が、

表面に顕(あらわ)れつつあるのを実感しました。


僕はコーナーを前にして、

わくわくするような喜びを感じ始めていたのです。

また、それと同時に、

コーナーを難なくクリアする他のライダーたちのように、

自分もコーナリングの技術を磨きたい、

彼らに負けたくない、

という闘争心も芽生えてきました。


こうして、僕の峠通いが始まりました。

最初は箱根方面などへツーリングを兼ねて走りに行っていましたが、

だんだん近場の峠に行くようになり、

しまいには、 ワインディング中心の走行をするようになっていきました。


そのように峠通いをするうち、

もっぱら峠の走行を専門に行う集団がいることに気づきました。

彼らは一般の車両の切れ間を利用して、

一定の区間を何度も往復しながらコーナリングのテクニックを磨いていました。

いわゆる、“走り屋”とか“ローリング族”とか呼ばれる人たちです。

彼らは峠道をサーキットのように見なして、

Uターンを繰り返しながら、

同じコーナーを何十回も走行します。

そのため急なカーブでも、

ものすごいスピードで走り抜けられるようになるのです。


もとより、これは違法な行為であり、

他の車両に多大な迷惑のかかるおそれのある、

非常に危険な行為です。

転倒事故や、

スピードの出し過ぎによるセンターラインオーバーからの、

対向車との衝突事故があとをたちませんでした。

わずか数キロメートルの範囲内(走り屋の走行コース内)で、

月に何人もの若者たちが、その命を落としました。

彼らの走る峠道の一帯には、

死者に手向けられた花があちらこちらに見られるというような状況でした。


今でこそ、これらの行為に対して、

良識ある判断を示せる自分ですが、

当時は違っていました。

彼らのテクニックの素晴らしさに、

すっかり魅了されてしまっていたのです。


初めて走り屋の走りを見た時の衝撃は、

今も忘れられません。

猛スピードで走ってきたオートバイが、

コーナーにさしかかると、

倒れんばかりに車体を傾けて、

膝や車体の一部を路面に擦りながら、

信じられないようなスピードで駆け抜けていくんです!

その走りを見た時、

僕は頭の中で、一瞬、“死”をイメージしました。

僕の顔面は蒼白となり足は震えました。

この時僕は、

若者たちの言う、

“死ぬほど感動する”という状態を、

体感したのです。

彼らの走りはそれほど壮絶なものでした。



僕はすっかりのぼせあがってしまっていました。

自分もあんなふうに走れるようになりたいと本気で思いました。

そして、当時走り屋のメッカとなっていた、

東京近郊高尾山系の大垂水峠(おおだるみとうげ)に、

毎週のように走りに行くようになったのです。続く



 春風と天使・・・その2、峠の楽しみ〜女性ライダーとの出会い
 春風と天使・・・その3、彼女の発した驚きの言葉
 春風と天使・・・その4、彼女の秘密〜そして大団円へ


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