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zoom RSS 春風と天使・・・その2、峠の楽しみ〜女性ライダーとの出会い

<<   作成日時 : 2008/09/09 17:50   >>

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走り屋となった旅人が、峠において経験したさまざまな楽しみ、そして、その発言によって、走り屋をやめるきっかけをつくった女性ライダーとの出会い。

画像

       スクリーンにピンクの大垂水。1992年撮影。

冬の寒さの厳しい時期を除き、

雨さえ降らなければ、

土曜、日曜はおろか、3連休なら三日間ともといった具合に、

僕は、休日のほとんどを大垂水峠で過ごしました。


そのように多くの時をそこで過ごし、

必死になってコーナリングの練習に励んだかいあって、

初めはおっかなびっくり走っていた僕も、

しだいにコツをつかみ、

スムーズに走れるようになっていきました。

もちろん、限界に挑戦するなどと公言する他の若者たちと較べれば、

僕の走りなんてかわいいもんです。

自身の能力を自覚していた僕は、

常に自分の持っている力の70%程度で走っていました。

とはいえ、自分自身の技術が多少なりとも上達していくのを感じるのは楽しいものです。

初めて自転車に乗れるようになった子供さながら、

僕は無心になって峠の走行を楽しんでいました。


一方、峠には走ること以外にも、いろいろな楽しみがありました。

季節のうつろいによってさまざまに変化する自然の美しさもそうです。

そして、走り屋同士の友情。

走り屋たちのあいだには、

たとえ初対面であっても、

生死をともにする戦友のような一種独特の連帯感が生まれるのです。

彼らと行動をともにしていると、

おのずと自分もその輪の中に加わっていることが実感できます。

それがとても心地よいのです。

この連帯感は、多くのライダーを峠に引きつける魅力の一つとなっています。


美しい自然と気の合う仲間たち。

死を意識することによる、

生きているという実感と喜び。

高揚する精神。

峠の走行には、僕が欲するすべての喜びが凝縮されていました。

決して褒められた行為でないのはわかっています。

しかし、それを承知のうえであえて言いたいのです。

“幸せだった”と。

今でもそう思っています。

この時、この場こそ、

僕の人生における真実の晴舞台でした。

ここ大垂水峠で、

僕はまさに至福の時を過ごしたのです。



しかし、そうした日々にも転機が訪れることになりました。

1993年3月6日(土曜日)の夕刻、

僕は例によって大垂水峠を走行した帰りに、

愛車の調子をみてもらうため、

行きつけのバイクショップに立ち寄りました。


点検をしてもらっているあいだ、

僕はショップの前の、

通りを越して反対側にあるガードレールに腰をおろして待つことにしました。


そうしてしばらく腰かけていると、

夕闇の中、

あかあかとライトをともした1台の大型オートバイが走ってきました。

そのオートバイはショップの前で止まりました。

“オートバイの大きさに較べてライダーがやけに小柄だな”

そう思いながら見ていると、

ヘルメットを脱いだその姿は意外にも若い女性でした。


彼女は二十代前半と思われ、

髪はボーイッシュなショートカット、

中肉中背で、きりっとしたりりしい顔立ちに革のツナギがよく似合っていました。

彼女の乗ってきたオートバイに興味をひかれた僕は、

彼女がショップに入ると、そのそばに寄ってじっくりとながめ始めました。

それは、スズキGSX−R1100というオートバイで、

排気量が1100ccもある男でも扱いがむずかしい超大型オートバイでした。

僕が感心しながら見ていると、

いつのまにかショップから出てきていた彼女が、僕に話しかけてきました。

彼女は、自身がメカに強く、

愛車を純正部品が一つも残らないほど徹底的に改造したこと、

時々サーキットを走行していることなどを話してくれました。


いろいろ話をするうち、

話題が僕のオートバイのことに及んだので、

僕はすぐ後ろに停めてあった愛車を指さしました。

それは、ホンダNSR250Rという排気量250ccのレーサーレプリカ(レース用のオートバイに似せて作製されたオートバイ)でした。

ハンドル前の風防のスクリーンには、

カッティングシートで自ら作成した、

ピンクの“大垂水”の文字が貼り付けてあります。

それを見た彼女は、

“あ、あれ・・・・・・”と、

そっけない返事をすると、

“お若いんですね”とつけ加えました。

僕は彼女に対し、

なんとか自分をカッコよく見せたいと思いました。

そして、自分が走り屋のまねごとをしていることなどを話し始めました。


話しをすすめるうち、

当時僕が最も心を痛めていたこと、

すなわち、多発する走り屋の死亡事故に話が至りました。

僕は、事故のうちでも最も死亡率の高い、

センターラインをオーバーして対向車と衝突する事故について、

“走り屋がかわいそう”だとか、

“なんとか防ぐ方法はないものか”とか、

そんなことを話しました。

すると、

それまで黙って話を聞いていた彼女が、

突然口を開いたんです。

その時彼女の口から飛び出した言葉、

それは、僕を驚愕させるものでした。
続く



 春風と天使・・・その1、初心者ライダーから走り屋へ
 春風と天使・・・その3、彼女の発した驚きの言葉
 春風と天使・・・その4、彼女の秘密〜そして大団円へ


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